今回は「ファッション」を題材にしたイラスト集『リアルクローズ イラストレーション』を紹介していきます。
『リアルクローズ イラストレーション』ってどんな本?
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『リアルクローズ イラストレーション』はファッションをテーマにセレクトされた作品が収められたイラスト集です。
「オールカラーイラストの新感覚ファッションブック」というコンセプトの通り、全編カラーでファッションイラストが収められたアパレルブランドのルックブックのような作りになっています。
純粋に本としてもカッコいいデザインになっていて、ファッションやイラストに興味がある人にはおすすめの一冊になっています。
収録作品について
今作では40名のイラストレーターの作品が収録されています。
掲載のされかたとしては今はやりのクリエイターズファイル形式で、作品と一緒にイラストレーターの自己紹介文と代表作品が簡単に書かれています。
またイラストレーターのSNSがQRコードでタグ付けされており、本をきっかけにクリエイターの情報にアクセスできる工夫がされているのも特徴です。
掲載されているクリエイターの傾向としては、表紙がかなりストリート系な感じなのでその系統が多いのかと思いきや意外とナチュラル系やドレス寄りの作品も多い印象です。
どのイラストレーターさんも今勢いのある人ばかりで、単純にファッションをテーマにしたイラストを見たいという人だけでなく、「今来ているカッコいいイラストを描く人が知りたい」という人にもかなりおすすめできるセレクトになっていると感じました。
クリエイター40名の紹介
それでは今作に掲載されているクリエイター40名を紹介していきます。
紹介するイラストは本を開いたときの興奮が減るといけないので、今回は雰囲気的に近くてよさげなイラストをピックアップしています。
またクリエイターごとに紹介しているグッズ類は随時更新していきます。
ファッションイラストをまとめた記事としてはかなりボリュームがあって質の高い記事にしていきたいと思っているのでよろしくお願いします。
①ダイスケリチャード
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1人目はダイスケリチャード。
彼のイラストの代名詞的なのが印象的なデザインのパーカー。
切り替えや不思議なフォントの文字などを使うことでポップながらも新しいファッションを描いています。
また服だけに留まらずリュックやキャップ、スニーカーなどの女子高生らしいアイテムも同じトーンを配置したりして統一感のある可愛さを演出しているのも特徴です。
近年はヴィレッジヴァンガードとのコラボでイラストの服を再現したりとアパレルのデザインでも活動の場を増やしています。
▼【ダイスケリチャード】ヴィレヴァン×クリエイターズショップ
ダイスケリチャードさんの作品は『気化熱』と『水槽』という2つの画集にまとめられているので、ご覧ください。
②世津田スン
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世津田スンはストリートファッションのイラストを中心に創作しているイラストレーター。
特にスポーティなアイテムを使ったファッションが得意で、スポーツカジュアルらしく色味も派手なものが多いのが特徴です。
エンブレムやフォントのデザインもソリッドでカッコよく、そうした要素は彼が作る服にも生かされています。
③meeco
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meecoは女性向けコーディネート解説やコスメについてのイラストを主に手掛けるイラストレーター。
ガーリーや大人カジュアルなど紹介するコーディネートの幅が広く、多くの女性から人気を得ています。
ディズニーやハリーポッターのキャラクターをイメージしたコーディネートイラストのクオリティも高く、見て楽しむだけでなく実際に着てみたくなるコーデが多く紹介されています。
④Yuki Hanafusa(旧HN:ぽんゆうぽし)
ぽんゆうぽしさんのイラストの特徴は服のデザインの多様さ。
ミリタリーやパンク、ストリートなど多様な服をミックスすることでハイブランドのようなルックを作り出しています。
そのくすんだ色合いも独自の世界観に合っていて、一見マッチしないようなアイテムの組み合わせもトーンが合っていることによって見事に様になっています。
攻めたイラストが多いため分かりにくいものもありますが、ファッションに興味がある人にはぜひ触れてほしいクリエイターの一人です。
⑤najuco
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najucoさんと言えば足の長い女の子とストリートライクなデザイン。今作の表紙もnajucoさんの作品です。
服装がストリートなだけでなくグラフィティやタグなどの魅せ方もカッコいいものが多く、ストリートの空気感を表現するのが上手なイラストレーターです。
またストリートというとどうしても尖った表現になってしまうものも多いのですが、najucoさんの場合は女の子を少女漫画っぽい顔で描いているのでなんとなく取っつきやすいところもポイント。
グッズやイラスト集のデザインもカッコいいものが多いのでおすすめです。
⑥seko koseko
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seko kosekoはシンプルながらもポップな色使いが特徴的なイラストレーター。
他のイラストに比べて線の数が少ない今どきなイラストなのですが、このスタイルはファッションイラストとの相性がとてもいいです。
ファッションにおいて大事なのは「シルエット」。
seko kosekoさんのイラストは線の数が少ないことでこのシルエットの美しさがより強調されるようになっています。
また描かれる女の子の立ち姿もストリートスナップっぽくなっており、純粋にカッコよく服を着ているイラストが多いのも特徴です。
⑦サコ
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sakoさんのイラストの魅力は何といってもその瑞々しさ。
髪の艶感を出す表現や表情の豊かさが素晴らしく、どのイラストからも爽やかな空気感が伝わってきます。
こうした女の子の可愛さを出しながらも萌えに寄り過ぎない絵柄は最近のトレンドともマッチしていると思います。
ライトノベルの表紙なども手掛けているイラストレーターさんですが、これから見かけることがさらに増えそうな予感です。
⑧ジェニーカオリ
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adidasとのコラボアイテムを発表するなど、ファッション性の高さが評価されているイラストレーター・ジェニーカオリ。
とにかく目を引くのがその派手な色使い。
ビビッドな色が多く、描かれている女の子もアイコンっぽいデザインになっています。
イラスト単体で見るとかなり主張が激しめなのですが、これがTシャツやパーカーとの相性がすごく良い。
シンプルなアイテムでもイラストが丁度いい差し色になってかなりカッコ良くなっています。
adidas以外にも定期的にコラボアイテムを出しているので、気になる方はぜひ。
⑨こまやま明
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長年ポケモンカードのイラストを手掛けるなど、見たことがある人も多いこまやま明さんのイラスト。
今作では色をテーマにしたファッションイラストが載っています。
色はキャラクターの性格を表す上で重要なシンボル。同じ「赤」でもトーンを変えることで印象を変えているのが印象的です。
⑩百瀬たろう
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百瀬たろうさんと言えばボーイッシュな可愛い女の子。
落ち着いた色合いの作品が多く、どこかゆるい雰囲気な女の子は見ていて癒されます。
こういったナチュラルテイストって意外と似たような服装になりがちなんですが、百瀬さんはうまく季節感をとりこみながら様々な「かわいさ」を表現しています。
またグッズがどれも可愛くて使いやすいものが多いのもいいところ。
ただ女性向けなアイテムが多いので、迷った方には同じくかわいさがギュッと詰まったLINEスタンプがおすすめ。
⑪24
いつもガーリーでキュート成分多めのイラストが多い24さんですが、今回は現代的なファッションのイラストが多め。
ただ女の子の可愛さはいつも通りで、トレンドライクな服装をしている分あどけないティーン感からちょっと大人っぽくなった女子大生くらいの雰囲気がよく出ています。
最近はライト文芸などの表紙を手掛けることも多く、『社内保育士はじめました』はシリーズ化されています。
イラストの力も大きいと言われるライト文芸の世界。手がけた作品がシリーズ化されるということは、24さんが描く作品がそれだけ魅力的であると言えるでしょう。
また24さんのメイキングが見たい方にはこちらもおすすめ。
世界観が広がる美しい小物の描き方について書かれています。
⑫如月憂
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ポップでキラキラしたキャラクターに定評がある如月憂さん。
今作には可愛いながらもちょっと抜けた感じのある女の子が収録されています。
またそれぞれにテーマを設定してファッションイラストが描かれているのもポイント。
「チャイナ」であったり「クマ」であったりと服だけでなくバッグや帽子、グッズなどを使ってテーマを表現しています。
「クマ」はスウェットも出ているので着てかわいさを爆発させることもできます。
⑬ともわか
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クールにキメてるけど、ちょっぴり抜けてて日常的。
そんな魅力が詰まったのがともわかさんの作品です。
平面的な描き方でありながらポージングが変わっていたり謎に躍動感があったりするので、いつ見ても新鮮な気持ちになれるのが良いところ。
あとこういう絵柄は服との相性がものすごく良いです。
アパレルブランド「H.P.FRANCE」が手掛けるレーベル「GENERATION」とのコラボでTシャツを出しているのですが、クオリティの高い仕上がりです。
トレンドのゆるめのシルエットでイラストは背面に来るため、比較的着やすいアイテムになっていると思います。
▼WEB限定 ともわかxGENERATION by H.P.FRANCE スモーカープリント ロングスリーブTシャツ
⑭あやた
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ペールトーンでまとめられた服装が多いあやたさんのイラスト。その特徴は繊細さです。
照れて頬を赤く染めていたり、ちょっと戸惑った表情ししてみたりとあやかさんのイラストに出てくる女の子はシャイな子が多い印象。
どの作品もそうした微妙な表情の変化と服のチョイスから女の子の気分が伝わってくるものばかりです。
あやたさんはシンガーソングライター・鹿乃のアルバム『rye』のジャケットも手掛けており、こちらも持ち味の繊細さがとても伝わってくる作品になっています。
⑮チヤキ
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チヤキさんのファッションイラストは「おしゃれだけどラフ」なのがカッコいいところ。
今作に収録されている作品もトレンドライクなチェックのコート着てみたり、髪をチャイナっぽく結い上げてみたりとどれもおしゃれなものばかり。
それでもチヤキさんが描く女の子はみんな素朴な顔をしているのが可愛いです。
グッズもそんな女の子の素朴な可愛さが出ているものばかりなのでおすすめ。
貼ったらなんでも可愛くなるステッカーはこちら。
また「言葉であらわせない時用」に作られたこちらのラインスタンプも可愛い顔ばかり。
⑯慧子
慧子さんのイラストはいつ見ても髪の美しさに見惚れてしまいます。
どの作品を見てもとにかく丁寧。髪に限らずスカートのプリーツや指先もしっかりとした線で描かれています。
服も描かれる女の子も「大人っぽい」ものが多く、今回収録されているのも「素敵なお姉さん」なイラストです。
あと時々現れるアンニュイなお姉さんも見るたびにどこか情緒がやすらぐので部屋に飾るのも良いです。
⑰エギ
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エギは韓国・ソウル出身のイラストレーター。
韓国のファッションと言えばデザインの多様さ。
日本に比べカラフルな服が多く、デザインも装飾的で攻めている物が好まれる傾向にあります。
そんな韓国出身のイラストレーターだけあって、エギさんのファッションイラストもカラフルでキャラが立っています。
⑱あい子
ファッションスナップのような作品が特徴のあい子さん。
描いているコーデの幅も非常に多彩で、描かれている場面も街中での何気ない瞬間を切り取っています。
キャラクターにカッコいい服を着せるのではなく、カッコいい服を着ることで個性がより引き立つ作品なのが何よりの魅力。
服にスポットライトが当たっているという意味で「ファッションイラスト」としては一つの理想形と言えるでしょう。
また絵柄がファッショナブルなので、小物のデザインにもすごく映えます。
スマホケースで心が惹かれるものって中々ないのですが、あい子さんがデザインするスマホケースはちゃんと「スマホケース」として可愛いんですよね。
紹介したもの以外にも可愛いグッズがいっぱいなので是非見てみてください。
⑲諏訪さやか
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諏訪さやかさんが描く女の子はみんなどこか上品な佇まい。
地味ではないけど派手過ぎない日常着として丁度いいスタイルになっています。
日常着を描いていることもあり、諏訪さんの作品は描かれている人の生活が見えてくるようなイラストになっているのも特徴です。
素敵な服は素敵な生活を彩るもの。諏訪さんが連載している『cawaii gram』にも気楽におしゃれを楽しむ絵日記が載っています。
▼えふちゃんれいちゃん くらしのスタンプ 諏訪さやかLINEスタンプストア
⑳杏奈〒
ダメージジーンズ👖jeans pic.twitter.com/6M8pKFNdKD
— 杏奈〒 (@tbmt_anna) September 21, 2019
ビビットな色味が特徴的な杏奈〒さんのイラスト。
80年代っぽい絵柄も相まってかなり印象的な作品に仕上がっています。
今はこういったデザインがファッションの世界で再燃中。
大きめのプリントが入ったロンTやスウェットなど、70~80年くらいに流行ったアイテムが今っぽい大きめのシルエットに修正されてトレンドになっています。
そういう流れもあって、すごくTシャツが作りたくなるデザインな杏奈〒さんのイラスト。
今はアパレルを作るのもかなり簡単になったので、いつか作ってくれたらなあと期待しています。
前半まとめ
今作で紹介されているイラストレーターの数は40人。
全員一気に紹介すると記事の長さがとんでもないことになるので、とりあえず前編では20名のイラストレーターさんの作品やグッズなどを紹介しました。
今作のテーマがファッションイラストなので、どのイラストレーターさんもファッショナブルな作風の人が多くてグッズのクオリティがとても高いです。
Tシャツなどは比較的安価で手に入れることができるので、ユニクロばっかりに飽きた人や崩しのアイテムが欲しい人はおすすめ。
あとイラストレーターさんが出すグッズの良いところは「所有欲が充たされる」ところ。
所有欲ってアパレルの世界だとそこそこ名のあるブランドの服を結構な価格で買わないと中々充たされなかったりします。
たしかにユニクロはコスパ抜群でいいけれど、愛着や思い入れという点ではどうしても洗練されたハイブランドの服には劣ってしまいます。
かといってハイブランドにはちょっと手が出にくいところ。
その中間を埋めるのがイラストレーターを始めとするクリエイターがつくる服だと思います。
ユニクロほど良い素材を使っているわけではないけれど、好きなクリエイターがつくっているだけあって所有欲も満たされる。
それでいてハイブランドほど高くない金額で独創性のある服が手に入る。
イラストレーターがつくる服はそんな丁度良さがあると思います。
また最近はアパレルブランドとのコラボで服を発表するイラストレーターも増えてきました。
もうここまで来るとシルエット良し、素材良し、デザイン良しとアパレルとしては普通に一級品。
特に「ユニクロばっかりだと地味になっちゃうんだよなあ」と思っていた人は一着あると印象が変わるので結構おすすめです。
そんなわけで『リアルクローズイラストレーション』残りの20名は後編にて紹介していますので、ぜひそちらも見ていってください。
【イラストレーター全員紹介】『リアルクローズ イラストレーション』解説(後編)
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