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【おすすめ画集】 リトルサンダー 作品集『SISTER HOOD』レビュー【Little Thunder】

リトルサンダー・画集
『SISTER HOOD』レビュー

この記事ではLittleThunder(リトルサンダー)の画集『SISTER HOOD』を紹介していきます。

この記事の内容

・リトルサンダーとは?

・作品の特徴

・画集『SISTER HOOD』レビュー

・主な収録作品

 

新作『SCENT OF HONG KONG』については▼リトルサンダー 作品集『SCENT OF HONG KONG』レビューにて紹介しています。

【おすすめ画集】リトルサンダー 作品集『SCENT OF HONG KONG』レビュー【Little Thunder】

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リトルサンダーとは?

 

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”LittleThunder”こと門小雷は香港を拠点に活動するイラストレーター・漫画家。

強さや生命力に満ちた女性を描いた作品が多く、近年Instagramを中心に人気を集めている今勢いのあるイラストレーターの一人です。

 

『SISTER HOOD』の特徴

 

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今回紹介する作品集『SISTER HOOD』は初めて日本の出版社が手掛けたLittleThunderの画集。

今まで描かれてきたLittleThunderの作品をできるだけ網羅するような一冊になっており、初めてLittleThunderの作品に触れる人も満足できる出来になっています。

 

構成について

今作は普段画集をあまり手に取らない人たちでも楽しめる工夫がされています。

特に工夫が見えるのは本の構成です。

今作『SISTER HOOD』の構成は以下のようになっています。

本の構成

①イラスト集

②短編漫画4編

③LittleThunderへのインタビュー

④江口寿史×たなかみさき対談

 

全体を通して今回の作品集はLittleThunderの多様な作品を一冊に詰め込んだものになっています。

インタビューでも語られていますが、LittleThunderはフランスの出版社から作品集を出してきたため、日本で作品集を出すのは今回が初めて。

今作は日本の出版社が手掛けているため、「日本にLittleThunderを紹介する」というコンセプトのもと、イラストから漫画やインタビューまでぎゅっと詰め込んだ一冊になっています。

 

①イラスト集

イラスト集に関しては後で収録作品を紹介しますが、Instagramのフォロワーが爆発的に増える以前のイラストから最近の印象的なイラストに至るまで満遍なく収録されており、現時点での総集編的なまとめ方がなされています。

 

②短編漫画

次に短編漫画ですが、これがかなりおすすめです。

収録されているのは以下の4本。

収録作品

●「CITY OF DARKNESS」

●「LOSER」

●「LOST FOREVER」

●「THE ARTIST」

特に「CITY OF DARKNESS」から「LOST FOREVER」までの3編は連続した物語になっており、作品集に収録されているものとは思えないほど読み応えのある漫画です。

この漫画を目当てに買っても十分満足できると言えるほどクオリティが高く、非常に驚かされました。

 

③インタビュー

インタビューでは製作環境やLittleThunderが歩んできた道のりが書かれており、彼女のバックボーンを理解する上で重要な内容になっています。

また彼女が住む香港の街並みや文化なども紹介されており、その後に載っている江口寿史とたなかみさきの対談を含め多くの日本人読者が興味をそそられるような工夫が凝らされていると感じました。

 

収録作品

『SISTER HOOD』に収録されている作品の一部を紹介します。

代表作

まずはLittleThunderの代表作ともいえる作品を2つ紹介します。

いずれもLittleThunderが得意とする「女性の魅力的な表情」が描かれている象徴的な作品です。

特に2枚目の二人の女の子が描かれたイラストは「特別な空気感」が見事に描き出されていて、近年のLittleThunderらしい作品になっています。

 

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表情の多様性

LittleThunderの特徴は多様な女の子の表情を描いているところです。

単なる「可愛さ」だけではなく「凛々しさ」や「満足感」、時には「怒り」を描くことで女の子の魅力をより多面的に表現しています。

 

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Art prints available at Society6 (Link in Bio). society6.com/littlethunder #vogue #voguing

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初期の作品

今作『SISTER HOOD』には比較的初期の作品も収録されています。

基本的に描いているテーマなどは近年の作品と同じなのですが、初期の作品のほうがどこか尖っている作品が多め。

シチュエーションなど違和感を感じる組み合わせが多く、リトルサンダー特有の不思議な世界観をつくり出しています。

 

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リトルサンダーは表情の切り取り方も独特です。

不思議なポーズだったり意味ありげな目つきだったりと、見る人に違和感を感じさせる要素が散りばめられています。

初期の作品は特に衣装や場面が特殊なことが多く、一見関係なさそうなものを配置することで作品の奥行きを生み出しています。

異形な女の子

リトルサンダーの作品は「異形」や「人外」を描いた作品も魅力的です。

この作品は三つ目の女の子が描かれていますが、服装は至って平凡でファンタジー要素はあまり感じない雰囲気です。

「異形」というのはそれだけで違和感が出るのですが、この作品の場合逆に「日常感」を付け足すことでよりフックの効いた作品に仕上げられています。

ランドセルや三つ編み、女児用の服などどれもちょっと古めかしさがありながらもファンタジーとは無縁のアイテム。

これを三つ目や獣人と組み合わせることで作品に深みが増し、思わず背景にあるストーリーを想像してしまう絵にしています。

LittleThunderを知る上でマストバイの一冊

今回紹介した『SISTER HOOD』はLittleThunderのファーストアルバムとも言うべき一冊でした。

この作品集が世に出る前後でもLittleThunderは精力的に作品を生み出し続けていて、益々見逃すことの出来ないイラストレーターになっています。

LittleThunderというアーティストを理解する上で、おそらく今作以上の本はないでしょう。

LittleThunderが気になっている人やアジアのイラストレーターに興味がある人には是非読んで欲しい一冊です。

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