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今回紹介するイラストレーターは田村結衣さんです。
札幌市を拠点に活動していて、デジタルだけでなく鉛筆を使ったアナログイラストも発表しています。
印象的なペールトーンの使い方や柔らかい線が特徴的なイラストレーターさんで、近年は小説の装画を手掛けるなどその幅広い表現力が注目されています。
特に時計ブランドとのコラボイラストはどれもクオリティが高く、ブランドのコンセプトを活かしながらも田村さんらしい作品に仕上がっています。
田村結衣作品の特徴
田村さんの作品の特徴は「柔らかい」ことだと思います。
後で紹介する鉛筆を用いたイラストを見ると分かりやすいですが、どの線も非常に柔らかいタッチで引かれています。
田村さんの作品の凄いところは色を入れても線の柔らかさが消えていないところ。
普通は鉛筆で柔らかく雰囲気のある線が引けていても、そこからペン入れをして色を塗ってと工程を重ねていくごとにどうしても始めの雰囲気は消えていってしまいます。
そこを田村さんの作品は色を入れて少し雰囲気が変わっていっても、輪郭の柔らかさ自体はしっかりと残っているんですよね。
さらにどの作品もとても色味が良く、しっかりと繊細な空気感が出ています。
この線と色の質感で女の子の繊細で微妙な表情を表現しているところが田村さんの魅力なのだと思います。
作品紹介
それでは田村さんの作品を紹介していきます。
紹介するのはオリジナル作品と時計ブランドとのコラボイラスト。
それぞれの魅力の違いを含めて見てもらえたらと思います。
白い帽子
まずはこちらのイラスト。
澄んだロイヤルブルーと女の子の憂鬱な表情に目が惹かれる作品です。
田村さんの作品はペールトーンの美しい色合いが多い反面、浮かない表情をしている女の子も多いです。
この絵は特に表情と色の差が大きく、そのギャップが女の子の影がある美しさをより引き立てています。
あと帽子やシャツと女の子の顔の描き方を大きく変えているのも良いですね。
帽子などは線の数も少なく平面的なんですが、女の子の顔や髪は線の数が多くしっかりと描き込まれています。
この描き方の強弱の付け方によって周りがふわっとしている分、女の子の表情がよりシャープで繊細な印象に映ります。
白熊
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田村さんの作品の特徴は「柔らかい」ことだと思います。
このイラスト含め線画を見てもらうと分かると思いますが、どの線も非常に柔らかいタッチで描かれています。
そしてさらに凄いのは色を入れても線の柔らかさが消えていないところ。
普通は鉛筆で柔らかく雰囲気のある線が引けていても、そこからペン入れをして色を塗ってと工程を重ねていくごとにどうしても始めの雰囲気は消えていってしまいます。
そこを田村さんの作品は色を入れて少し雰囲気が変わっていっても、輪郭の柔らかさ自体はしっかりと残っているんですよね。
白いクマのぬいぐるみだけでなく、指先や頬などあらゆる部分に少しずつ違った柔らかさがあり、空白の部分すらふんわりしているような気がしてきます。
そばかす
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田村さんは「柔らかさ」以外にも様々な質感を使い分けて表現しています。
このイラストも今まで紹介してきたイラスト同様、女の子の顔が大きく描かれていますが印象が随分違います。
今までのイラストが柔らかく瑞々しさがあったのに対して、このイラストはどこかドライな印象です。
ただそれが悪い方に作用するのではなく、より自然な雰囲気を作りだしているのが田村さんの作品だと思います。
少し半目になっていたり、髪が乱れていてもそれはそれでちゃんと描かれている人の魅力が出ているんですよね。
特に髪の毛の表現が美しく、髪の硬さやクセまで感じられるのは驚きです。
金髪ショート
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最後は金髪ショートの女の子のイラスト。
田村さんの描く女の子はみんな色々な想いが顔から伝わってくるのが良いんですよね。
絵の質感がリアルなだけに、女の子の気持ちが言葉では言い表しにくい繊細で微妙な部分まで見えてきます。
田村さんが描く女の子の表情は本当に種類が多く、今回紹介するイラスト以外にも様々な表情を見ることが出来るのが魅力。
特に最近は漫画を手掛けていることもあり、より描かれる表情のバリエーションが増えているように見えます。
田村さんの絵は線だけのものもカラーイラストとは違った良さがあるので、ぜひご覧ください。
まとめ
今回は田村結衣さんのイラストを紹介してきました。
どの作品も色味が綺麗で、部屋に飾りたくなるタイプの絵なんですよね。
線が多いようですごくシンプルなイラストなので、どんなインテリアにも合う包容力があると思います。
田村さんのイラストって紙やキャンバスで見ると印象が変わるタイプの絵だと思うんですよね。
質感や色の出し方などが本当に豊かでじっと見ていたくなる作品なだけに、これから様々な展開が見れるのが楽しみです。
あと作品が持つ雰囲気的に文芸作品との相性がすごく良いのも田村さんの作品の魅力だと思います。
表情ひとつでこれだけ繊細な感情が伝わってくる絵は中々ないですし、これから小説の表紙などで田村さんの描く色々な顔が見れたら嬉しいです。