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今回紹介するのは旧都なぎさん。
西洋占星術をモチーフにした作品集を発表するなど、独自の世界観と練り上げられた舞台設定が魅力的なイラストレーターです。
どのイラストも神聖さと少し影がある感じがブレンドされた空気が流れていて、ファンタジックな世界が好きな人にはめちゃくちゃ刺さる作品ばかりです。
今回は作品集『SCERZO 2020』に収録されている作品を中心に紹介していきます。
作品紹介
EPSODE.1
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画集『SCERZO 2020』の表紙にもなっているこのイラスト。
図書館をテーマにしたイラストですが、旧都なぎさん特有の「天使」や「神殿」といった要素が加わることで新しい世界観を作り出しています。
なぎさんのイラストは天使などのファンタジーな要素が多く登場しますが、描かれる場面のほとんどは日常のシーン。
戦いなどの激しいシーンではなく、ファンタジーな世界の登場人物たちが過ごす景色はどれも美しく、それでいてちょっとラフな雰囲気が漂っているのが作品の魅力になっています。
このイラストの天使の女の子も羽こそ生えていますが、服装はパーカーにスカートといったカジュアルな組み合わせ。
とても美しく神聖なイラストですが、こうした通常のファンタジー世界にはない要素が散りばめられることでステレオタイプではない独特で奥行きのある世界観を作り出しています。
ROLAMINGO
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こちらは旧都なぎさんのアイコンともいえるような作品。
フラミンゴをバックに同じポーズの女の子が描かれていますが、一度見たら忘れられない印象的なイラストになっています。
とにかくこの抜けた雰囲気がいいですね。
旧都なぎさんのイラストはどこか静寂感のあるものが多いですが、この作品はそれがちょっとシュールな雰囲気を作り出しています。
色味もフラミンゴのサーモンピンクとバラの組み合わせが綺麗で、同系色の中でアクセントを利かせているのもいい感じです。
最近はフラミンゴやボタニカル柄などはファッション的にも人気のあるデザインなので、そういった意味でも今っぽさのある可愛いイラストになっています。
EPSODE.7
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なぎさんの作品の魅力はその独特な設定と世界観。
このイラストは絵本『ALGL』シリーズに出てくるもので、天使の表情や机の上に置かれた書類などひとつひとつが意味ありげに描かれています。
なぎさんのイラストの多くは何かの設定やストーリーを基に描かれているものが多く、それだけに絵の中に描かれる物に説得力が出ています。
それでいてなぎさんの作品はストーリーを知らなくても楽しめるところもいいですね。
ちゃんと一枚の絵として美しいので、こうした画集という形で見ても違和感がありません。
旧都なぎさんの作品はイラストだけでも楽しめて、ストーリーを知るともっとハマるという理想的な形になっていると思います。
『ALGL』は元々同人で出されていたのですが、現在は『やがて霧色は曇りなく』というタイトルで2冊にまとめられています。
なぎさんの世界観を知るには一番だと思うのでぜひ。
EPSODE.4
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こちらも『ALGL』シリーズのイラスト。
今まで紹介してきたイラストに比べるとやや派手目な服装の女の子2人が描かれています。
なぎさんの作品は本当に赤が映えますね。
先ほどのフラミンゴのイラストも綺麗だったのですが、こちらの深い赤とバイオレットの組み合わせもまた違った良さがあります。
服装もより装飾的でエレガントなものになっていて、周りの空間含めて華やかな印象になっています。
あとなぎさんのイラストは空間を広く描いているのもポイント。
どのイラストでも登場人物と背景の遠近感を上手く使って絵に奥行きを作っています。
描かれている小物やインテリアも作り込まれた設定をしっかりと表現するものになっていて、まさになぎさんの世界観を体現するものになっています。
TAROR MUSEUM "NO.7 THE CHARIOT" & "NO.9 THE HERMIT"
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最後はタロットカードをモチーフにしたイラストを紹介します。
漫画やゲームなどでもお馴染みのタロットカードですが、まさになぎさんの作品にうってつけのテーマです。
ファンタジーで神聖ななぎさんの世界観とタロットカードの持つ神秘的な要素はとても相性が良く、どれもが強いキャラクター性を持った作品に仕上がっています。
タロットカードには大アルカナと小アルカナという2つの種類があるのですが、有名なのは大アルカナの方。
このシリーズでも22種類ある大アルカナがイラストのモチーフになっています。
それぞれのイラストのモチーフになっているカードを説明すると、左側のイラストが「戦車」で右側のイラストが「隠者」です。
タロットカードは海外だと色々なイラストレーターが作っているんですが、テーマが決まっている分作る人の個性が見えておもしろいんですよね。
なぎさんはタロットだけでなく西洋占星術をテーマにした作品も作っていて、そっちもすごく世界観にマッチしているのでぜひご覧ください。
まとめ
今回は旧都なぎさんの作品を紹介してきました。
なぎさんの作品を紹介していて本当にファンタジーって幅広いジャンルだと改めて感じました。
よく「剣と魔法のファンタジー」なんてコピーを見たりしますが、なぎさんの作品はそういったファンタジーとはまた違うんですよね。
タロットカードや西洋占星術をモチーフにした作品があるのを見ると、なぎさんの作品のベースはゲームっぽいファンタジーというよりも神話に近いのかもしれません。
あとなぎさんは物凄く印象的な作品を定期的に出してくるところもすごいと思います。
キャラクターの造形や色味だけでなく、描くシチュエーションや小物の配置など総合的に刺さるイラストを作り上げているのはそれだけ絵のバックボーンがしっかりしているということでしょう。
ファンタジー系のイラストが好きな人は、▼イラスト好きなら観ておくべき おすすめ画集10選でイラストレーターを紹介しているのでご覧ください。
【2021年最新版】イラスト好きなら観ておくべき おすすめ画集10選
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