今回紹介するのはオリタケイさん。
デジタル全盛の中アナログでイラストを描き続け、多くの個展を開催するなど今注目を集めているイラストレーターです。
定期的に行っている原画の販売会は競争率が高く即完必至。どの作品も手元に欲しくなるものばかりです。
今回は作品集『Oritism vol.4』に収録されているイラストを中心に、思わず買いたくなるオリタケイさんの作品を紹介していきます。
作品紹介
①子供と大人
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『Oritism vol.4』の表紙にもなっているこちらのイラスト。
アクリル絵の具で描かれた鮮やかな色彩が目を引く作品です。
後で紹介しますが、オリタさんのイラストはコピックで着色したものが割合的には多め。
ただこの明るく目立つ色合いはアクリル画ならではの魅力です。
特にオリタさんの作品は色の合わせ方が特徴的なので、こうした明るい色をいくつも使った絵はかなりインパクトが強くなっています。
こういうイラストは実際に原画を見るとめちゃくちゃ映えるんですよね。
部屋に飾ったら一気にオシャレ度とテンションを上げてくれるようなイラストです。
②肩裾の橘
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さてこちらはコピックで彩色している方のイラスト。
オリタさんの作品の多くはこのスタイルで描かれています。
自分はオリタさんの着色も当然好きなんですが、同時に線も推したいんですよね。
髪やシャツの柄などを枠で囲うように線を引いて色分けをしているんですが、この線を引く場所が本当に絶妙だと思います。
とくに髪の色分けなんかはやり様によっては結構違和感が出てきてしまったりする所だと思うんですよね。
それをオリタさんはデッサン的にも模様としても成立するように線を引いているのがすごくカッコよくて良いと思います。
あとこのイラストに関しては何といってもシャツの柄ですよね。
右下に雲のような空白地帯をつくっているところ含めて浮世絵っぽさが出ていて、オリタさんが描きたい世界観がちゃんと形になっているように感じます。
またコピックの原画は時々販売会が行われていたりするので、ぜひオリタさんのSNSなどをチェックしてみてください。
③青い秋
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変わってこちらはクール系女子のイラスト。
今度は服の模様が幾何学的な切り替えになっていることで、スポーティな見た目になっています。
不思議なのが色による印象の変化。
先ほどのイラストは全体的に黄色が多く使われていたんですが、このイラストは一見青が多く見えるもののオレンジやえんじ色も同じくらいの面積で使われています。
このイラストはずっと見ていると不思議なもので女の子の表情が段々と違って見えてきます。
始めはクールで強気な女の子といって印象なのですが、しばらく見ていると優し気な目をしている様にも見えてくる。
多分この絵が青一色で描かれていたら「クールな女の子だ」で終わっていたと思うんですよ。
でもこのイラストは段々と違った印象に変化したりしてくる。
この印象の奥行きこそオリタさんの作品の魅力なんだと思います。
④ここに在らず
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オリタさんの作品に描かれている人は繊細でハッキリとは割り切れない表情をしています。
この女の子もまさにそんな顔です。
考えている様にも見えますし、悩んでいる様にも悔しがっているようにも見える。
色は上品でゴージャスなだけに、この表情とのギャップが非常にイメージに残るものになっています。
『Oritism vol.4』のコピーは「その熱は、しけた薪すら焚きつける」。
オリタさんのイラストは悩んでいる顔をしていても、その奥にはしっかりと熱があるように見えるんですよね。
そういった意味でこのイラストはかなりオリタさんらしい作品なんじゃないかと思います。
⑤monotone
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最後はこちらのモノクロイラスト。
オリタさんの作品が鮮やかな色だけでなく、色の分け方まで含めて素晴らしいことを教えてくれる作品です。
グレーの色味の変化だけでもまったく飽きることがないですし、むしろスタイリッシュにも見えます。
またモノクロなので読み取れる感情に幅が出るところもポイントですね。
色があればそれを頼りに感情や場面を想像できるのですが、モノクロになってくると自然と目線やポーズ、口の開き方などにも目が行くようになります。
そしてこのイラストはかなり何とも言えないような顔をしているんですよね。
こうした観る側に色々と問いかけてくるところもオリタ作品の魅力のひとつだと思います。
まとめ
さてさて、今回はオリタケイさんの作品を作品集『Oritism vol.4』の収録作品を中心に紹介してきました。
どのイラストもそれぞれにオリタさんの魅力が出ている作品だったのではないかと思います。
作品集を読んでいて感じたことなんですが、オリタケイさんはかなり情熱的なイラストレーターだと思うんですよね。
作品自体ももちろんですが、作品集に収められているオリタさんの文章にもそうした熱い部分がかなり滲んていたと感じました。
「元気が出る」とか「モチベーションが上がった」とかって画集や作品集の感想ではあんまり聴かないんですが、この作品集はまさにそんな一冊だと思います。
「正直、自己啓発本とかは苦手」といった方でもこの本は一人のイラストレーターの強い想いが詰まっている本なので、そんなに抵抗感なく刺激を受けることができるはずです。
作品集は過去策含めオフィシャルストアが空いている時期であれば購入できるはずなので、ぜひチェックしてみてください。