丸紅茜 画集『ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK 丸紅 茜』を解説
今回は丸紅茜の画集『ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK 丸紅 茜』を紹介します。
丸紅さんの作品の特徴や画集の内容について簡単に解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
丸紅茜とは?
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丸紅茜(まるべに あかね)は沖縄出身のイラストレーター・漫画家。
コミティアなどで精力的に活動を続け、現在は小説の装画やCDジャケットを多く手掛ける人気イラストレーターです。
『ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK 丸紅 茜』の特徴
今回紹介する画集『ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK 丸紅 茜』は丸紅茜の初となる画集。
翔泳社の人気シリーズ「ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK 」のひとつとして出版されています。
丸紅さんのオリジナル作品など100点を超えるイラストが収録されている上に詳しいメイキングまで載っているので、丸紅さんの絵が好きな人だけでなくクリエイターにとっても参考になる一冊になっています。
構成について
今作『ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK 丸紅 茜』の構成は以下の通りです。
本の構成
①アートワークス Part1
②メイキング Part1
③スケッチブック
④アートワークス Part2
⑤メイキング Part2
⑥インタビュー
この画集は大きく6つのチャプターに分かれています。
それぞれのチャプターの内容については収録作品と一緒に紹介してきます。
収録作品
『ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK 丸紅 茜』に収録されているイラストの一部を紹介します。
①アートワークス Part1
アートワークスは2部に分かれていて、1部では丸紅さん個人の作品を中心にまとめられています。
収録されているのは2015~2017年のイラストで、丸紅さんがTwitterやコミティアで作品を発表し始めた時期の作品になります。
このパートでは丸紅さんらしいちょっと不思議で生活感のあるイラストが収録されているのが特徴。
収録作品は後で紹介しますが、丸紅さんの描く世界観が楽しめるパートになっています。
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丸紅茜といえば団地!
このパートには団地のイラストが多く収録されています。
ちょっと不思議で日常に寄り添った丸紅団地の世界観をぜひ楽しんでみてください。
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丸紅さんの作品にはよく「影」が描かれます。
団地の光の部分が人々の日常生活だとしたら、影の部分にはどんな非日常があるのでしょう?
丸紅さんが描く「影」はちょっとファンタジーで何かドラマの始まりを予感させるものになっています。
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こちらもかなり印象的なイラスト。
団地に落ちていた天使。季節は晩秋。
これから3人はどんな冬を過ごすのでしょうか。
物語の始まりにピッタリなイラストです。
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この画集を観ていると「団地」というテーマに対する切り口が本当に豊富なんですよね。
このイラストも「魔法陣」「女子学生」「団地」という不思議な要素が組み合わさっていますが、得体の知れないカッコよさがにじみ出ています。
ただのイタズラのようにも見えるし、本当に何かできそうな気もする。
丸紅さんの作品は解釈の余地が残されている分、より想像力をかき立てられるものになっています。
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構図がオシャレすぎるイラスト。
「君はいる」というタイトルも含めて、切なさの中にも救いがある作品になっています。
丸紅さんの作品は「視点」を意識して作られている物が多く、この作品はまさに一人称視点ならではの表現が盛り込まれています。
またどの作品も舞台が同じ「団地」なので、画集を通してひとつの群像劇にも見えるのが魅力になっています。
②メイキング Part1
今作ではメイキングも2つ収録されています。
雰囲気のつくり方やCLIP STUDIOの設定など幅広く解説しているので、イラストレーターでなくても読み物として楽しめる内容になっています。
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メイキングでは表紙にもなっているこのイラストの制作過程を紹介しています。
解説では「絵に盛り込む要素の決め方」や「構図の意図」、「効率のいいソフトの使い方」などが語られています。
丸紅さんの制作ツールはすべてCLIP STUDIO。人気のあるソフトなので多くの人に参考になると思います。
③スケッチブック
このパートでは丸紅さんが普段練習用に描いているスケッチが収録されています。
扉絵には「10minutes」と書いてあり、どれも10分か5分の時間制限を設けて描いているとのこと。
人物や風景などが多く載っているので絵の練習方法を探している人はぜひ参考にしてみてください。
④アートワークス Part2
アートワークス2部ではCDジャケットや小説の表紙絵など版権イラストがメインに収録されています。
丸紅さんがコミティアで発表し続けている同人誌『map』のイラストも収録されていて、1部とは違った雰囲気が楽しめます。
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ハンブレッダーズのCD「イマジナリー・ノンフィクション」のジャケットイラスト。
丸紅さんのイラストは一枚の絵の中にストーリー性もメッセージ性もありつつ、それでも重々しい空気になっていないのが特徴。
少しファンタジーを混ぜることで物語に救いを生み出しています。
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宮澤伊織の小説『そいねドリーマー』の表紙絵。
眠りの世界で戦う女の子の話だけあって浮遊感のあるイラストになっています。
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「丸紅アパートメンツプレス」が発行する同人誌『map』第6号の表紙絵。
『団地のふしぎ』というタイトルのこの本には丸紅さんらしいちょっと不思議な団地のイラストが詰め込まれています。
今作には他にも『map』のイラストが収録。旅行記のイラストなども観ることが出来ます。
⑤メイキング Part2
2つめのメイキングでは商店街のワンシーンを描いたイラストについて解説しています。
1つめのメイキング以上に雰囲気づくりについて深く語られているのが特徴で、丸紅さん独特な雰囲気がどうやって生み出されているのかを知ることが出来ます。
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メイキング2つ目ではイラスト「秘密の入り口」の制作過程を解説しています。
このメイキングでは「影」の表現方法について詳しく語られているのが特徴。
「想像力が掻き立てられる絵」について順を追って解説されていて、丸紅さんが絵を描くときに何を考えているのか垣間見ることができます。
今までの丸紅茜が詰まった一冊
今回紹介した『ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK 丸紅 茜』は今までの丸紅茜の総集編とも言える画集でした。
作品集もメイキングも充実した内容になっていて、他にこれだけ丸紅さんの作品をまとめた本は無いので丸紅茜を知る上で最適な一冊になっています。
他のおすすめ画集についてはこちらにまとめているのでぜひ。
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